基本的に現在でも使用できる現行紙幣であれば、額面を基準として買取価格が決まります。買取相場が高くなるものは、先ほどご紹介した紙幣番号やエラー紙幣によるプレミアものか、現行紙幣ではないもの、あとは流通量が少ないものなどは希少価値が付いて高額になります。
【相場が高い古紙幣】
「明治通宝」の額面は9種類(十銭・二十銭・半円・壹円・二円・五円・拾円・五拾円・百円)で、それぞれ現存数が少ないため希少価値があり、額面が大きいものほど発行枚数が少ないので買取価格は高くなります。一番下の十銭でも数万円の価値が付くほど貴重で、当時超高額紙幣であった五拾円や百円は極端に発行枚数が少なく、現存数は数枚と言われており、数百万の値段が付きます。
「旧国立銀行券」は古紙幣の中でも最も価値のある紙幣とされています。額面は5種類(壹円・二円・五円・拾円・二拾円)で、こちらも額面が大きいものほど発行枚数が少ないため買取価格は高くなります。発行枚数が約480万枚もあった壹円券でさえ、約20万円~70万円が相場となっているので、現存数が極端に少ない拾円券と二拾円券は「幻の紙幣」と呼ばれ1000万円以上の値段が付くと予想されます。
「日本銀行券」の額面は4種類(壹円・五円・拾円・百円)で、中央銀行が最初に発行した紙幣です。大黒点が描かれたデザインは人気があり、壹円券のみ現在も使用できます。しかし、少なくとも数万円以上の価値があるので、決して両替などしないように大事に扱いましょう。
現在流通している「二千円紙幣」は、2000年7月19日に発行され、「千円紙幣」、「五千円紙幣」、「一万円紙幣」は、2004年11月1日に発行されました。故に、この時発行されたものを除き、それ以前に発行されたものを旧紙幣または古紙幣と呼びます。
古紙幣には発行時期によって分類できるように記号が付けられており、昭和初期に発行されたものには「甲・乙・丙・丁」、第二次世界大戦中に発行されたものには「い・ろ」、戦後に発行されたものには「A・B・C・D」が振り分けられています。
【旧千円札】
現在に至るまで4種類を発行。
「甲号券」
1945年8月17日に発行、1946年3月2日に支払い停止。
流通期間が1年半にも満たないので、現存数が少なく、希少価値が高いです。
肖像は日本武尊と建部神社。
「B号券」
1950年1月7日に発行、1965年1月4日に支払い停止。
インフレを解消させるために大量に発行されました。
肖像は聖徳太子。
「C号券」
1963年11月1日に発行、1986年1月4日に支払い停止。
肖像は伊藤博文。透かしは偽造防止のため横顔の伊藤博文になっています。
「D号券」
1984年11月1日に発行、2007年4月2日に支払い停止。
肖像は夏目漱石。それまでとのサイズ変更が施されました。
【旧五千円札】
現在に至るまで2種類を発行。
「C号券」
1957年10月1日に発行、1986年1月4日に支払い停止。
肖像は聖徳太子。
「D号券」
1984年11月1日に発行、2007年4月2日に支払い停止。
肖像は新渡戸稲造。D号券から文化人が肖像に採用されるようになりました。
【旧一万円札】
現在に至るまで2種類を発行。
「C号券」
1958年12月1日に発行、1986年1月4日に支払い停止。
日本で初めて一万円札が発行され、高度経済成長の一端を担いました。
肖像は聖徳太子。
「D号券」
1984年11月1日に発行、2007年4月2日に支払い停止。
肖像は福沢諭吉。大量に贋物が出回ったことも話題になりました。
古紙幣は素材が紙でできているので、硬貨に比べて傷みやすく劣化が激しい貨幣です。コレクターであればきちんと保管していると思いますが、貨幣ですので、状態が良いまま家のどこかにあるという人の方が少ないかと思います。しかしながら、家に残っているということは意図的に取っておいたという可能性も考えられるので、状態が良いまま残っているかもしれません。売却するならば状態が少しでも良い内に早めに決断をしましょう。
売る際に気を付けなければいけないことは、下手に手入れをしないことです。汚れかと思ったものは「印刷ズレ」かもしれませんし、端っこに何か付いてると思ったものは「耳付き」かもしれません。その場合プレミア価格が付くので、絶対に触らないようにしましょう。そして売る相手は、専門知識を持った人に査定してもらえる古紙幣買取・古銭買取の専門店の中から一番高く買い取ってくれるお店を選ぶことが重要なポイントです。