大判・小判の相場は、ネットオークションの過去の落札を見たり、検索エンジンで調べることにより、大まかな金額は把握することができます。しかし、同じ種類の大判・小判でも発行時期が違うだけでも値段が変わってきますし、墨書の現存具合や傷みなどの状態によっても大きく変わるので、実際のところ詳しく調べてみないことには買取価格は断定できません。
また、状態が良い方が価値が高くなるからと言って、自分で磨いたりしてしまうと細かく傷が付いてしまったり、墨書が薄くなってしまって、反って価値を下げることになり兼ねません。柔らかい布で埃を拭う程度に止めておきましょう。持ち上げる時もなるべく指紋が付かないように持つことも、買取価格を下げないためには大切なことなので、取り扱いには十分注意してください。
他には、大判・小判には贋作やレプリカが存在します。そのため正式な鑑定書があるならば、一緒に保管しておくことで本物であることを証明できます。更には高評価にも繋がるポイントでもあるので、失くさないようにしましょう。
大判・小判の相場を知る一番の方法は、大判・小判の専門知識を持った人に査定してもらうことです。古銭買取を専門的に受け付けているお店でも、必ずしも大判・小判に詳しい人がいるかどうかはわかりませんし、専門家であっても価値を見極める力量によって買取価格は変わってきます。したがって、複数のお店で査定してもらうことが現在の相場を知るためには必須条件なのです。
【天正菱大判金】
鋳造されたのは天正16年からで、金含有率は73%です。
菱型の極印が特徴的で、現存数が6枚しかなく、状態によっては1億の値が付くと言われています。
【天正長大判金】
鋳造されたのは文禄4年からで、金含有率は73%です。
他の天正大判金よりも縦長なのが特徴です。
【大仏大判金】
鋳造されたのは慶長13年からで、金含有率は73%です。
天正大判金の中で最も新しく、最も長く鋳造されていたのが大仏大判金です。
方広寺大仏殿の再建費用確保のために鋳造したことから、この名前になりました。
【慶長笹書大判金】
鋳造されたのは慶長6年からで、金含有率は67.2%です。
墨書が笹の葉のように見えることが、この名前の由来とされています。
希少性の高さと、墨書が美しいことから人気の高い大判です。
【慶長大判金】
鋳造されたのは慶長6年からで、金含有率は67.2%です。
慶長大判金は細かく分けると5種類ほどあります。
その中でも、明暦3年の大火災により金が溶けてしまったことが理由で、明暦4年に鋳造された慶長大判金は、造りはほぼ同じでも別物として扱われています。
【元禄大判金】
鋳造されたのは元禄8年からで、金含有率は52.1%です。
金の含有率は大幅に下がりましたが、現存数が少ないので希少性は高いです。
【享保大判金】
鋳造されたのは享保10年からで、金含有率は67.6%です。
金の含有率は慶長大判金の頃に近い値に戻されました。
【天保大判金】
鋳造されたのは天保9年からで、金含有率は67.4%です。
享保大判金と形状などが似ていますが、買取価格は天保大判金の方がやや高いです。
【万延大判金】
鋳造されたのは万延元年からで、金含有率は34.4%です。
他の大判金よりも金の含有率が極めて低いのが特徴です。
【慶長小判】
鋳造されたのは慶長6年からで、金含有率は86.2%です。
江戸時代の初代小判で、買取価格は非常に高いです。
【元禄小判】
鋳造されたのは元禄8年からで、金含有率は56.4%です。
金の含有率が少ないですが、現存数が少ないため買取価格が高いです。
【宝永小判】
鋳造されたのは宝永7年からで、金含有率は83.4%です。
「乾」の字が入っていることから「乾字小判」とも呼ばれています。
【正徳小判】
鋳造されたのは正徳4年からで、金含有率は85.6%です。
小判の中で最も高く取り引きされるのが正徳小判です。
【享保小判】
鋳造されたのは正徳4年からで、金含有率は86.1%です。
正徳小判と区別するために享保小判と呼ばれています。
【元文小判】
鋳造されたのは元文元年からで、金含有率は65.3%です。
「文字小判」とも呼ばれますが、文政小判と区別するために「古文字小判」とも呼ばれます。
【文政小判】
鋳造されたのは文政2年からで、金含有率は56%です。
元文小判と区別するために「新文字小判」とも呼ばれます。
【天保小判】
鋳造されたのは天保8年からで、金含有率は56.7%です。
「保」の字が入っていることから「保字小判」とも呼ばれています。
【安政小判】
鋳造されたのは安政6年からで、金含有率は56.7%です。
「正」の字が入っていることから「正字小判」とも呼ばれています。
多くが回収されてしまったために現存数が少なく、江戸後期の小判の中では極めて高い小判です。
【万延小判】
鋳造されたのは万延元年からで、金含有率は57.2%です。
現存数は少ないですが、他の小判と比べると価値が低く買取価格も低いです。
大判・小判は古い時代のものですので、コレクションしている場合を除き、状態良く保存されているケースは少ないと思います。人知れずどこかで眠っているとすれば尚更です。状態が良くなければもちろん価値も下がりますので、少しでも状態が良い内に、売る決断をできるだけ早めにすることが高価買取のポイントです。
また、本来の状態に近付けようとして磨いてしまうと、逆に傷つけてしまったり、大判の場合墨書が薄くなってしまいます。その後、薄くなった部分を加筆修正するのも良くありません。下手に手入れをすると反って価値を下げてしまうことになるので、絶対にしないようにしましょう。そして何度も言いますが、売却する際は専門知識を持った人が在籍し、きちんと査定してくれる大判・小判買取(古銭買取)の専門店で買取してもらいましょう。その時に損をしないポイントは、複数のお店を比べて一番条件の良いところを選ぶことです。